ちょっと待て、葉っぱはすぐに治らない
皆様ご無沙汰しております。
暑さとともに、私も撃沈しておりました。
さて、今年は猛暑それから台風だの豪雨だのが続き、天候に翻弄される日々でしたね。
9月に入ってようやく秋の気配が訪れております。
8月中頃~今の時期にかけて、お客様から植物不調のお問い合わせを多く頂いております。
そして、内容はどれもほぼ一緒です。
ヤマボウシの葉が茶色くなっています。大丈夫でしょうか?
これは、ヤマボウシが日本中で特に不調なのではなく、
私共のお客様の庭に高確率で植えられている植物だから必然的にそういうお問い合わせが多いと思われます。
まず、ヤマボウシですが、この樹木は私がこの仕事に就いてから継続的に庭の入れている樹木です。もしかすると、世の中で一番好きな樹木かもしれません。
会社のロゴマークは紅葉の葉なんですが・・・
この樹木は、日陰に植えてあるという場合以外ですと、夏(ものすごく暑い時期)によく葉先が茶色になる事があります。
真夏以外は非常に可憐な姿を見せてくれますが・・・
管理をよくしてくださってるお客様は特に、水やりが不足しているとか、お世話が足りないのではないのかとご心配されるのですが、そういう性質の植物です。
ですので、あまり焦らずにしっかり水やりをして、日が落ちてからは葉に水をやって、
ひたすら猛暑を乗り切るしかありません。
さて、ここで
こんなに心配して、問い合わせまでしたのに、
やることはそれだけなんか!?
真面目に考えとるんか!?
肥料をやるとか薬をやるとか・・・
と思われるかもしれませんが、実際にやれる事はそのくらいなのです。
植物は言葉を発しませんので、皆様非常に心配されてお問い合わせをくださるのですが人間に置き換えてみれば結構簡単です。
めちゃめちゃ暑くて熱中症寸前の状態の時って、スポーツドリンクを飲むか、体を冷やすか、そのくらいの方法しかないですよね。
熱中症寸前の人に、
弱ってるね・・・鰻でも食べてスタミナつけたら?奢るし・・・
と誰も言わないはず。
ただ、植物と人間の違いは、
涼しい場所に移動できるかできないかだけ。
年々高温化する気温に、私達の様に、植物を扱う業者も今までの経験値だけで、ココに植えたら大丈夫!とか軽々しくアドバイスできない状況になってきたと感じます。
今年の猛暑は特に堪えたのではないかと思います。
猛暑の為、人間が屋外に出ることもカーテンを開けることもままならず、気づいたら葉が茶色かったというのが、9月に入ってから増えたお客様からのヤマボウシ不調のご連絡の原因かもしれません。
しかし、晩夏になり度重なる台風のおかげで猛暑も少し和らいでまいりました。
じゃ、これからヤマボウシを治すぞ!!
茶色い葉っぱ撲滅!樹勢回復!となるのですが、
残念ながらヤマボウシはこれから冬にかけて落葉していきます。
現在、樹木についている茶色い葉っぱを落としたらおそらくそのまま落葉し、ヤマボウシ達は冬季のお休みにはいってしまいます。
冬季の間に植えて3年目以降くらいのヤマボウシとなりますと、肥料をやるのも効果的です。
ということで、ヤマボウシの完全復活を確認するには、春の芽吹きを待つ必要があります。
落葉?
その前に、もう少し暖かいし、春とか言わず、
水やったし、涼しくなったし葉っぱは治らないの?
という疑問が発生するかもしれませんが、傷んでしまった葉は水をやっても肥料をやっても葉をつけたままは治りません。
とはならず、
↑このような過程をたどります。
人間が手を怪我してしまって、かさぶたができて、また皮膚が復活する。
という風にはいかないのが植物です。
植物の新陳代謝は、葉が落ちて、葉が芽吹くの繰り返しです。
なにか対策を練るとソッコーで治るというわけではなく、スパンの長い回復を待たねばなりません。
実は、私は、7月に体調がおかしくなってしまい、全身に激しい蕁麻疹が発生し、喉や顔にまで蕁麻疹が広がり、腫れ上がって呼吸ができなくなりそうになって夜中に病院にかけこみました。
その時に、注射を打って頂いたのですが・・・
注射はゆっくり1分くらいかけて打つのですが、腕に至っては、注射を打っている途中から蕁麻疹が引いていくのがわかりました。
あまりにも早い症状の収まりに驚いたものです。
この様になんでもすぐ効果が上がるのが人間の治療であるが故に、効果が遅いと心配になってしまいますよね。
人間と比べて、植物はなんでもゆっくり。
その分人間より長く生きている樹木もあります。
植物達のスローの生態を暖かく見守っていただけると幸いです。