女王の庭

自宅の庭をつくりたい!から一念発起。庭づくりが職業になりました。あれから十数年、自宅の庭は放置のまま、数百件のお客さまの庭をつくりつづけて今に至ります。

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ジワジワ困る事-玄関ポーチ問題

 

皆さま、こんにちは。

毎日、厳しい寒さが続いております。
温暖な福山市でも同様で・・・
冬服はもう買わないと決めていたのですが、

あまりの寒さに、GUで1480円のジャケットを買いました。
1480円でこの寒さがしのげるなら安いモノです。


相変わらず
ガーデンアート昌三園のホームページが検索にかかりませんので、
ホームページが行方不明になったとのお声もあります。

http://ga-shozoen.co.jp/


こちらから行けますので、よろしければクリックしてみてください。


今日は、一つ玄関ポーチのお話を。

玄関ポーチは、建物と屋外を結ぶ小さなスペースです。


屋外に存在するにも関わらず、造園、外構業者が施工する事はほとんどありません。
何故なら、玄関ポーチは、屋外と屋内にわたって存在するものなので
建築工事に含まれている事がほとんです。

ということで、私たち造園業者は、基本的に玄関ポーチを除いた屋外の設計・施工を行っているワケなのです。

しかし、この玄関ポーチというわずかなスペースが、結構トンチンカンな事になっていて、新しい住居の満足度や使い勝手の悪さにつながり、外構工事を行う時点で改修を行う事例がよくあります。


事例1:そもそもポーチの色と建物が合ってない

近年の玄関ポーチは30センチ角のタイル敷になっているお宅がほとんどですが、何年か前まではほどんどの家のポーチのタイルがベージュ色でした。
ベージュのタイルは非常に優れもので、たとえ足の裏に土がついた状態でタイルの上に上がっても、少しぐらいであれば、タイルに着いた足跡が見えにくいのです。

また、建物も洋風のプロヴァンス風やナチュラル風が流行していた頃は、ベージュタイルで何ら違和感がありませんでした。

しかし、住宅にも流行があり、和風やモダン、シンプル、といった白、黒、グレーなどを基調とする建物が登場しているにもかかわらず、なぜかタイルはベージュのまま・・・

全体の雰囲気を残念な感じにしてしまっています。

タイルを何故この色にしたかお客様にお尋ねすると、

よく考えてなかった。
いつの間にか決まってた。
選択肢がなかった。

など、さほど検討してなかった系のお答えが多いのです。
しかし、このタイルの色も近年は住宅のスタイルが変化してきた為に以前と比べるとサイズ・色共に豊富になってきましたので、建物と玄関ポーチ色のミスマッチは減ってきた様に思います。



事例2:狭い

確かに、しょっちゅう利用する場所ではないのですが、
家を訪れた方が、最初に足を踏み入れる箇所。
特に、インターホンがドア横に付いている場合は、ピンポンを押して、ドアが開くまでに待機する場所ですが・・・

狭いが故に開き戸の場合
ドアを開いた瞬間、こういう事故が起こるとの事でポーチを拡張補修した事があります。(下手な絵で失礼致します)

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ポーチの奥行が狭いと、ドアを開けた時にお客様にぶつかったりすることがあります。

 

 

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ある程度ゆとりがあると、ドアを開けた時も余裕があるのですが・・・

この、狭い、広いのサイズですが、
90センチ程度(30センチ角のタイル3枚分)だと狭く感じる方が多い様です。

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こちらは、90センチの奥行が狭いので、お庭の工事の際にタイル1枚分を足して120センチにしている途中の施工例です。たった30センチ角タイル1枚分ですが、それでもポーチが広く使えます。

玄関ポーチは建物の中でも一番最後に完成する場所で、なおかつ居室ではない為、少々念頭に入れにくい部分ではありますが、毎日使う場所ですので、不便な時はジワジワと使い勝手の悪さが身にしみてきます。

庭の工事ではこの様に玄関ポーチの形状も変更する事が可能ですので、使い勝手が悪い場合は相談してみるのもよいと思います。



事例3:1方向しか進めない

ポーチは建物の基礎の玄関と同じ高さに設定されて、大体1段もしくは2段の階段が付いている事が多いのですが、この階段は大体1方向にのみ設置されている事がほとんどです。

が、それが原因で気が付かないウチに玄関脇にデッドスペースができてしまったり、使い勝手が悪くなってしまったりしている事があります。

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こちらはポーチの広さは申し分ないのですが、
階段が前方にしかついてないので、矢印の方向に導線が固定されていました。
せっかくの広いポーチを持て余している状態です。

そこで、お庭をつくる際に

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横方向にも階段を付ける事によって、広いポーチから2方向へと導線ができました。
お庭から玄関への通行が可能になり、使いやすくなりました。


事例4:長いポーチ

最近は玄関から道路までの距離が短い建物も見かける様になりました。

そこで、玄関の向きとは違う方向に導線を設けなければならないポーチも見受けられます。デザイン的に面白い形状のポーチになるのですが、

玄関ポーチとアプローチを兼ねたものとなります。

このような場合は庭のデザインが決まらなければ、ポーチの形状も決まりませんので、
特殊な例かもしれませんが、建築工事のポーチは必要最低限のところで終了し、残りはお庭のデザインが決定してからの外構工事とさせていただきました。


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ご入居の際は建物の一部が完成してない状態で入って頂いたのですが、
しばらくの間は仮階段を設置し、お客様の生活状況に合わせたポーチを考える事ができました。

高基礎の建物であること、お子様が小さく、荷物も多い事があるとの事でしたので、
階段と踊り場をミックスし、途中にはポストも設置して、ゆったりと玄関まで到着できる様になりました。

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こちらも、逆方向にもタイルを付け加えて導線を2方向に確保しています。


お客様とお話をしていると、玄関ポーチで自覚がなくジワジワとお困りの方が以多い様です。

建築工事に含まれる事が多い部分ではありますが、造園・外構工事でも見直しやご相談ができますので、是非ご相談下さいませ。