女王の庭

自宅の庭をつくりたい!から一念発起。庭づくりが職業になりました。あれから十数年、自宅の庭は放置のまま、数百件のお客さまの庭をつくりつづけて今に至ります。

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ヒメシャラ

いつもいつもブログの決まり文句が、大変ご無沙汰しておりました。

であるのを心苦しく思っていたのですが、

ご無沙汰しておりました。

どころか、今回はパスワードを忘れてしまい管理できないというひどい話になっておりました。

大変失礼いたしました。

パスワードを忘れているうちに、世の中は大きくかわり、異常気象もですが、コロナ禍、オリンピック延期、ライフスタイルの変化など様々な事が変わってしまいました。

ライフスタイル変化の顕著な表れとして、
春先~初夏にかけて、ステイホームという期間がありました。

また、テレワークという期間も。


気候のよい頃のステイホームだったせいか、多くのお客様がお庭に出て、既存のお庭の見直しをなさった様です。

その結果、このような時期でありながら、お客様との出会いの機会が春から夏にかけて比較的多かった様に思います。


樹木を植えたいというご希望も多く、植木屋としては大変うれしい限りです。

便利なことに、最近はネット検索でたくさんの樹木を事前確認できる様になりました。





が、しかしネット検索には重要な事が書かれてません。




広島県福山市の市街地の住宅地において、

西日が当たる箇所で

ヒメシャラは育ちません

 

※ちなみにヒメシャラとはこのような↓樹木です

www.google.co.jp


という記載をしっかりしていただきたいものです。

よく、人気のあるシンボルツリーのまとめサイトのおすすめ樹木の上がってるのですが、


何度も言いますが、


広島県福山市の市街地の住宅地において、

西日が当たる箇所で

ヒメシャラは育ちません


可憐な立ち姿と、清楚な花、美しい樹皮、そして何やら儚げな名前

私もできることなら植えまくりたいのですが、
枯れてしまうのですよ。

必ずというわけではありませんが、多くの確率で枯れてしまいます。


タチの悪い事に一気に枯れてしまうのではなく、上の方から徐々に数年かけて枯れてきます。

この「西日でジワジワ枯れる系の樹木」略して「西日ジワ枯れ樹」(大して略せてない)は、他にも、広島県福山市の市街地では

ソヨゴ や エゴ ナツハゼ シャクナゲなどが該当します。

これ、まとめサイトなどには書いておりません。
地元の植木屋の体感です。

植えて巨大になって困った植物の事はよく書いてありますが、
「西日ジワ枯れ樹」の事はあまり記載されておりませんし、

実際のところどうなのか?という事は地元の植木屋さんなら皆さんよくご存じだと思います。




じゃあ、ヒメシャラはどこに植えたらええねん、

と話にいうなりますが、

まず、西日が当たらない事が大前提で、その他、日が当たりすぎない場所、
大きな木の添えなどで日光がダイレクトに当たらない場所が適しています。



別に私自身がヒメシャラに何かされたわけではありませんが、
なぜ親のカタキの様にしつこく書くかというと、
最近、ヒメシャラを植えたいとおっしゃる方が増えているからです。

アオダモを代表とする、線の細い落葉樹が大変な流行をみせており、
お庭の雑誌でもよくヒメシャラが掲載されたりしています。

とてもいい樹木なので、皆さんが植えたいと思うのも無理のない事ですが・・・




よく、樹木配置の提案をお任せいただくのですが、
上記理由につき、私は滅多な事ではヒメシャラを入れる事はありません。

そのご提案をご覧になったお客様が

「・・・んだよ。大して珍しくもない樹木ばかり計画に入れてるダセー植木屋だな

イケてるヒメシャラを提案しろよ。」

って思われてるかもしれません。


が、建物の多くが、南側にリビングと庭を配しているため、
そのお庭にヒメシャラを植えるとなると、日暮れ時には必ず西日の強烈な先例を受けてしまうわけです。



東側に植えて、朝日しかあたらないまたは明るめの北側なら問題ないのですけど。


植栽提案において、植木屋は枯れない、巨大化しない植物を選びがちです。

イケてる植物が提案の中に入ってない場合でも、

 

ダセー植木屋にあたってしまった・・・


とがっかりされる前に何か理由がある事も多いので、まずは希望の植物がお庭に適しているかどうかを聞いてみましょう。

お客様方は、日当たりが悪くて植物が育たない事をご心配される方の方が多いのですが、近年の危険な暑さにおいては、日当たりの悪さよりも
日当たりの抜群の良さに頭を悩ませてしまう事が多いものです。


お盆が明けたというのに、毎日、毎日危険な暑さと報道されています。

植物も人間も過ごしにくい夏になってしまいましたが、どうぞご自愛くださいませ。