女王の庭

自宅の庭をつくりたい!から一念発起。庭づくりが職業になりました。あれから十数年、自宅の庭は放置のまま、数百件のお客さまの庭をつくりつづけて今に至ります。

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できるだけ安い外構とは1

Q:できるだけ安い外構とはどのようなものでしょうか?

A:何もしない

 

まあ、身も蓋もない答えですし、そもそもこれは外構ではありませんね。

しかし、世の中には敷地内に建物だけ建って、多くはありませんが、それ以外は何もしていないスペースも存在します。
まず、屋外スペースは色々作り込まなくてもとりえず家さえあれば生活ができるというだけの空間であって、やらなければならないというものではありません。

しかし、そのまま放置すれば、水は溜まるし、屋外に土は流れるし、歩きにくいし、草も生えます。隣地との境界もわからないし・・・


これではあまりにも使い勝手が悪すぎます。


そこで、困りごとを最低限防ぐ必要が発生してきます。

水が溜まらないように、土が道路に流れないように、歩きやすいように、草が生えないように、敷地の境界をはっきりさせる


最低限このくらいしておけばとりあえずは近隣に迷惑がかからず、使い勝手も格段に向上します。


できるだけ安い外構とはこの無いと最低限困る事象をクリアしたお庭の事をいいます。

一例を挙げますと、



↑コレですコレ。敷地全部アスファルト舗装。

ちょっとでも

カーポートが欲しいとか、植木も・・とかフェンスくらいは・・・とか

 

間違っても思ってはいけません

できるだけ安い外構を追求するという事はこういうことです。

※しかし、使い勝手は良さそうですね。


しかし、イヤイヤそういう事じゃないだろう。

建物との調和ってもんが・・とか、アスファルトって道路じゃないんだから、

え、もう少しオシャレにしたいんですけど・・・子供が飛び出すし・・
ていうか外から丸見えじゃん・・・

もっとこうしたい、という希望がチラホラと聞こえてきそうですが・・・

この希望一つ一つが、できるだけ安い外構から遠ざかっていく原因なのです。




新築外構ご希望の方で、建物以外ぜ~んぶアスファルトとか建物以外ぜ~んぶ砂利
以上のものをご希望の方は、既にできるだけ安い外構を手に入れるルートから外れている事をご自覚ください。

 

では、その上で次なる方法を検討してみましょう。

 

駐車場土間、カーポート、アプローチ、門塀、ポスト、表札、目隠しフェンス、植栽

 

などは一般的に希望される方が多い外構アイテムです。

一度、施工店に入れてみたいアイテムを全部入れた見積をとってみてください。

ただし、


すべてのアイテムで最安値のものを入れてもらいます。

カーポートをこのオシャレなものにして、とかフェンスはデザインがカッコいいこのタイプで・・・とかアオダモ株立H=4.0を入て下さい

 

とかそんな、オシャレさやカッコよさを求めようとは

間違っても思ってはいけません


しかし、業界最安値の商品で工事を行ったとしても

土間、防草シート+砂利、カーポート、ポスト、表札、境界ブロック、境界フェンス

 

などを入れると想定予算を大きくオーバーする事例も多数見受けられます。
つまり、何やったって安くないのです。


何故こうも安くならないのかと言いますと、

外構工事の一般的な金額、想定金額があまり広く知られてないからだと思っています。

例えば、新築住宅1棟を予算100万円で建てようという方はさすがにいらっしゃらないかとは思います。

それは、大体の住宅の価格が世間に広く知れ渡っているからです。

だから、100万円で家が建たないからと言って高い!!と思われる方はいません。

坪単価○円とか言われますよね。
しかし、外構には坪単価○円という指標はありません。

強いて言うなら、建物を建築する時の予算取りの金額として工務店さんや住宅メーカーさんがご提示する金額が100万円だったから、大体予算100万円とか150万円というイメージを持たれているのではないかと思います。

ずっと昔に

hanamoarashimo.hatenablog.com

という記事を書いた記憶がありますが、
理想の庭が100万円でできるかも・・・は都市伝説であり、
100万円で外構はできますが、希望に沿った外構の実現は厳しいというお話でした。


広島県東部地方の話ですが、
今どきの一般的な住宅と敷地ですと大体の目安として、

カーポートなしの建物まわり全部の外構で150万円程度
2~3台のカーポートや、駐車場、ポスト表札、植栽など一般的に望まれる事が多い内容ですと200万円~250万円 こんなデザインとかコレが絶対に欲しいなど希望を組み込んで納得のいくものにすると300万円~かかっている印象です。

 

しかも、土地が相当広い場合は上記にはあてはまらなくなります。


先ずは外構は思った以上にお金がかかること、そして理想の外構だとさらにそれなりのお金がかかると心積もりをして置くことが肝心かと思います。

そして、それでもできるだけ安い外構を望まれる方は、

もう、敷地全部アスファルトや砂利でいい。
予算がないからとりあえず、外構はしない。
デザインは問わない、無駄なく一番安い商材で必要なものだけいれる。

 


このくらいの腹の座り方で進めるのが一番だと思います。


が、そこまで腹を据えられない方はどうすべきかを次で書きたいと思います。

2022/11/9 読みやすくするために編集を行いました。