女王の庭

自宅の庭をつくりたい!から一念発起。庭づくりが職業になりました。あれから十数年、自宅の庭は放置のまま、数百件のお客さまの庭をつくりつづけて今に至ります。

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植木は管理が大変ですが

こんにちは。ご無沙汰しております。
5月に入り新緑もすっかり生え揃いましたね。

まだ毛虫の被害もなく、葉の色も淡く、新緑の色もとりどりで、蚊もおらず、スギ花粉も一段落つき、花が咲き揃い5月は12ヶ月の中で一番お庭や植物を眺めるのにいい時期
でもあります。

加えて、私の誕生月♪(だから何なんだですが)

会社の圃場の植物も今とてもキレイです。



と、春のフワフワ明るい雰囲気から5月らしいシックな色合いに植物が変化しました。

そして、ご覧の通りパレットに大量保管しています。
そうです、造園業なので植物を慈しんでいるのではなく、我々にとっては植物はある意味資材なのです。

普通の建設資材と違うところは、枯れる、大きくなる、傷む。という
状況変化が著しいところです。


生き物である資材なので、枯れる、傷むについてはある程度仕方ない事だと認識しています。


実際会社の圃場にて水をやって保管していても枯れるものは枯れてしまいます。

ですが、多くの方は植物を枯らしてしまう事に対して非常にネガティブなイメージを持たれている様です。

「枯らすの得意なんで・・・」

と何度お客様からこの言葉を聞いたでしょうか?

一度や二度、観葉植物や鉢植えや日本での生育が難しい植物を枯らしたからと言って、
「枯らすの得意」と自称してはなりません。

もちろん枯れるなんて嬉しくない事ですが、人間や動物だっていつかは命が終わるのに植物にだけ枯れを許さないのは酷というものです。


少なくとも、造園業生活に置いて、私は枯らすの得意とおっしゃってる方よりも100倍くらい植物を枯らしているはずです。

難しく考えなくとも、植木は適量の水さえやっていれば9割以上枯れる事はありません
(私調べ)

それよりも、いつかは命が終わる植物という生き物とこの時間を共に楽しく過ごしているとお考え下さい。


そもそも、適量の水をやっているのに枯れた時は、元々の植木の状態が悪かったか、その土地に合わなかったからの理由がほとんどです。

実際に枯れた植物を引き上げて、会社に置いていたら芽がでて元通りになった事例もたくさんあります。きっと土地の条件が合わなかったんだろうなと思うのです。


弊社ではお客様の植木が枯れたのは、1割未満で
その内訳は、元々の状態が良くなかったか、合わなかったのが約9割です。
残りの1割は意外にも水のやり過ぎです。

ほとんど無いですが、あきらかに水やってないから枯れたという方は今回のお話では対象外です。

とりあえず、水をやって下さい!!

植えた当初は植木が枯れたと、小さな植物1本でもものすごく心配なさっていた方々もその後数年経つとお悩みの内容が変わってきます。

自信なさそうに「枯らすの得意」と謙遜しておられた皆様も、


「えーと
なんかもうすっごい大きくなって、
とりあえず切ってもらっていいですか?」



へと変化します。


切ってもらってというのは、剪定を意味する時もありますし、
もう少し年月が経つと、伐採の事を指して切るとおっしゃる場合もあります。

剪定で形や大きさをコントロールするのも、いっその事伐採するのも、皆様のご判断です。

先程は枯れる事をネガティブに捉えないで欲しいと述べましたが

植木が大きく巨大になることもネガティブに捉えないで欲しいです。

人間の子供に大きくなるなと言ってるのと同じ事です。


植物は年々変化します。そして、庭を使う人の年齢や状況も変化します。
私は植木屋ですが、大きくなって手に余った植木を伐採することも特にダメだとは思いません。


変化や状況に応じて臨機応変に対応する資材が植木であり、
生き物である以上、水やり、消毒、剪定などから逃れる事はできません。

変化に応じての対応を管理といいます。

管理は熱意がある時はとても楽しいものですが、気力、体力がないと難しいです。
気力、体力がある日突然電池切れになる事も決してダメだとは思いません。

うっかり枯れても仕方ありません。生き物ですから。
そして大きくなりすぎてダメになったら、撤去してもいいのです。
悪い事ではありません。

植物は管理が大変なんで・・・とお庭への植物をゼロにするより、
ダメになったら辞めたらいいわ。

くらいの気持ちで、チャレンジしてみて頂けると嬉しいです。

緑色のものが少しあるだけでも、建物と敷地の風景が生き生きとしてきます。



※ちなみに、弊社では実は元々状態が悪かった樹木、土地に合わなかった樹木に対しては1年間の枯補償をつけています。