女王の庭

自宅の庭をつくりたい!から一念発起。庭づくりが職業になりました。あれから十数年、自宅の庭は放置のまま、数百件のお客さまの庭をつくりつづけて今に至ります。

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世話の要らない木をお願いします-2

 

 

 

前回の記事にて、世話にの要らない木について少し書いてみたのですが、

hanamoarashimo.hatenablog.com

記事をよく読むと、なにやら とっ散らかっていますが、

前回記事を要約しますと

  • 世話の一切要らない木はありません
  • 世話になるべく手間がかからない木ならあります


という事になります。

では、世話になるべく手間がかからない木とはなんぞや?

ということになりますが、

こちらは、私は個人的に2種類あると思っています。


水やりなどに時間が割けず、枯らすのが心配な方は

とにかく強い植物

になりますし、

巨大化やボーボーになってしまうのが心配な方は

あまり大きくならない植物

という事になります。



わが社にお越しになるお客様は、

植物を植えたい。
けど、うまくそだてられるだろうか?

という心配をされている方が多いので、

 

「とにかく強い植物」に寄せたセレクトを行います。

ただ、強い植物はウラを返せば、
少々では枯れないので、繁殖力旺盛で、ボーボーになりやすいという性質も持っています。

ボーボーになった植物の恐ろしさはこれまでもブログで啓蒙活動を続けてきましたが、

たとえボーボーになろうとも、せめて最初の1~2年はお客様にも水やりなどをやっていただき、グングン成長して花や実をつけた植物を楽しんでいただくという成功体験を味わっていただきたいと思っています。

植物が成長する。花を楽しむ、実を楽しむ。

将来の巨大化を恐れるよりも、植物を植えている人が得る事ができる最大の喜びを、今のお庭の管理のモチベーションにして頂きたく思っています。


それに、ボーボーも人間の背丈以上にならず、横に広がらなければ恐れることはありません。

大きくなりすぎたからと言ってクヨクヨせず、いざとなったら枝を落とせばいいのです。

人の手が届けば剪定が可能ですので、比較的育成の制御が行いやすくなります。



ということで、人の手が届く大きさの樹木については、

とにかく強い植物をセレクトしています。


それに対して、人の背丈より大きな いわゆる「高木」は

成長がゆっくりで、植物の線が細く、あまり剪定の必要のない植物を選ぶ傾向にあります。

人の背丈を越える樹木は、庭にやってきた時点で既に人間の制御を超えています。

枝が伸びても剪定は手が届きませんし、失敗したと感じて引っこ抜こうとしても、なかなかの重労働です。

ということで、

低木はよく育つもの 高木は成長がゆっくりのもの

でよいと思います。


ちなみに、わが社でよく植える低木

斑入りヤブラン
アガパンサス
アベリアコンフェティ
ヒューケラ
フッキソウ
姫シャリンバイ
アジサイ
コデマリ
クリスマスローズ
ギボウシ
ミツバツツジ

高木

アオダモ
シラカシ
イロハモミジ
ソヨゴ
ヤマボウシ
ジューンベリー
常緑ヤマボウシ

などです。

さほど珍しい植物ではありませんが、きちんと管理して、日当たりの位置を気にして植えれば瀬戸内地方では十分育成し、四季の移ろいを感じさせてくれる植物です。


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高木:アオダモ ヤマボウシ シマトネリコ


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高木:イロハモミジ ヤマボウシ


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高木:アオダモ ヤマボウシ シマトネリコ シラカシ

シマトネリコについては、高木でなおかつ成長が早いので
空間に余裕がある場合に植えています。

低木は育成早く(強く)
高木は育成遅く

四文字熟語で勝手に表現するなら
低早高遅

 

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の法則で植えています。

ただ、剪定が一切必要がないかというと、やはり数年に一度は手を入れて頂くと樹形が整い、建物の経年変化に伴って重厚感が増してきます。

植物とうまく付き合い、お庭の経年変化を楽しめるお庭にしたいものですね。

世話の要らない木をお願いします-1

仕事柄

 

 

 

「世話の要らない木を植えて下さい」



というご要望を頂く事があります。

 

結論は

 

 

 

 

「ありません」

 

 

 

の一択です。



秒速で「ありません」と返答したいところですが、お客様も今までに色々と枯らしてしまったとか、剪定で苦労したなど、切実なお悩みをお持ちであるが故のご要望かと思い、まずはお話をお聞きするようにしています。

お客様のおっしゃる主なお世話とは

水やり
剪定
肥料

を指している事が多いです。

 

しかし、まずは、

 

植物は言葉を持たない、表情を持たないが故に、気が付きにくいのですが、

私たち人間と同様に基本的に生きものだという事をご理解頂きたいです。

暑い寒いも感じますし、お腹も減るし、水分も摂取しています。



というわけでまずは世の中に

 

「世話の要らない木」というものは存在しないという事をご理解頂きたいと思います。

世話の要らない木を望む方が多いのは、

  • 忙しくて水やりをする時間がない
  • 木が成長して巨大になってしまったらどうしていいのか分からない
  • 毎年剪定代を支払えない


という理由が多い様です。

中には、枯らすのは得意なんで・・・

と自信なさげにおっしゃる方も。


枯らすのが得意というのは、

 

 

「実際に枯らしたことがある」

 

という実体験に基づいた感想なのですが、詳細をお聞きすると、

室内の鉢植えの観葉植物とか、ついつい買ってしまった花鉢をベランダで枯らしてしまったという経験の様です。


このような実体験に基づいて枯らすことを恐れておられる方に

 

一言申し上げます。


鉢を少々枯らしてしまったからと言って、心配要りません。

鉢に入った植物というのは

 

職業が「造園業」と称する私であっても

 



枯らしまくりました。


鉢植えはプロでもウッカリ枯れるんです。
(と、自分の管理不足を棚に上げてみる)
枯らすのが得意だからという事ではありません。


鉢植えは手軽ですが、長期に渡って育てるのは至難の業です。


何故なら、小さな箱の中に少しだけの土を入れてその中で根を生やし大きく健康に育てるという事は、かごの中の鳥を育てるのと一緒のことだからです。

自由を持たない植物は、人間が与える水や肥料にのみ依存して生きねばなりません。
日当たりに気を遣い、水をやり、肥料を与え、植物が成長すれば根が張り、鉢のサイズを替え、とにかく気を遣ってお世話しまくらないときちんと成長しません。

ウッカリ夏の暑い日に忙しくて水やりを忘れただけでしおれます。
かわいがりすぎて水をやりすぎても根腐れします。

と言うことで、鉢植えに失敗したからと言って、お庭に植えた木がすぐに枯れる事にはなりませんので、ご安心下さい。

広い地面に植えて、太陽と雨を浴びた植物はある程度まで育つと自力で育ってくれます。


木の巨大化については、

普段から当ブログにて、その恐ろしさの啓蒙活動↓を行った事が功を奏しているのか

hanamoarashimo.hatenablog.com

 

hanamoarashimo.hatenablog.com


実体験として、
ご実家の庭木の量が多すぎて、手入れが大変だった。
植木屋さんにお願いする剪定代がかなりかかっていた。

また、家を建てる際に、家訓として

「庭木は植えるな」と親御さんから言われた。

というお話も耳にします。


確かに、親御さん世代の方のお庭には、松やサツキの常緑樹や、生垣など毎年の剪定を欠かすと木の形がおかしくなってしまったり、ボサボサになってジャングルになってしまう樹木が多く見受けられたので、無理もない事かと思います。


しかし、心配要りません。
昔と違って現在のお庭は植栽樹木が多様化しています。

大きくならない樹木はありませんが、
大きくなるスピードがゆっくりな樹木は存在します。

インターネットでも樹木の特徴は調べられますが、植物は地域によっても育成状況は違います。敷地の様子や日当たりを見て、地元の業者の意見を参考になさることかと思います。その地域で、相当数の樹木を植えて、数年後の行く末まで見ている人の経験値は大きいかと思います。


ということで、まずは小さな結論

世話の要らない木は存在しません
しかし、世話がなるべく少なくて済む木は選択可能です。


お庭に少しでも緑の彩りを加えたいと思った方が、世話ができない事に不安を感じて植栽を諦めるのはとても勿体ないことです。

※ただし、木に水を1滴もやる時間も予定もない方には、どんなにメンテナンスが少なくて済むと言っても、おすすめする植物がありません。
また別のものをおすすめする事となります。

次回の記事では、世話がなべく少なくて済む植物についてご案内したいと思います。




気が付いたら困る事-木 大きくなりすぎ問題2

hanamoarashimo.hatenablog.com

からの続きとなります。

木、大きくなりすぎ問題は、ついつい背丈の大きな樹木を想定してしまいがちですが、

前回でも述べた、つる植物や匍匐性の植物も意外と大きくなりすぎてしまうのです。

以下、撤去の経験がある植物ですが、

 

ローズマリー(匍匐性)

ローズマリー - Google 検索


ミント(地下茎)

ミント - Google 検索


ワイヤプランツ

ワイヤープランツ - Google 検索

 

ハツユキカズラ

ハツユキカズラ - Google 検索


アイビー

アイビー - Google 検索



どれもこれも買った当初は9センチポットに収まり、200円~300円程度の苗でした。

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ローズマリーは名前がカワイイのと、お料理に使える(肉の臭みを消す)との触れ込みで比較的お客様からの人気も高い様ですが、植えられた数が多い分、撤去も多くしてきました。

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料理に使えると言っても、日本人の我々は

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あまりこのような↑食事もとりませんので、利用の機会は限られています。
料理に使う以上のスピードで繁殖します。

料理に使えるハーブは思わず植えてしまいたくなりますが、

 

 

料理に使えるモノを同じ植えるなら

 

オシャレ度がちょっとアレなんですが、

 

絶対にネギの方が有用性が高いです。

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ミントについては、ローズマリーよりさらに猛スピードで繁殖します。

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厄介なのは、地下茎で増える為、抜いても抜いても地面のどこかから生えてきて、管理が大変難しい事です。


私は実は、相当なミント中毒で、日々の生活にミントの清涼感がないと生きていけないレベルの人間です。
余談ですが、私のデスクに常備されているもの↓

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ということで、少々のミントが生えたところで、

ミントティーに全然足りねーよ。そんなんじゃ。


と大きく出る事はできるのですが、

 

大量の生ミントを収穫し、ミントティーにして知人。家族に飲ませると

「まっず~~~~~~」


との事で、どうやら日本人の味覚にマッチしない場合も多い様です。

料理に使うと言っても、庭のミントを一枚とって、水やケーキに浮かべる程度を想像しておられるなら、植木鉢での栽培がおすすめです。

しかし、同じハーブなら、

 

絶対パセリの方が有用性が高いです。

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よく料理のレシピ見てると、パセリ少々って掲載されてませんか?
あのパセリ少々にちょっとイラっとするのですが、手元に植えておけば、パセリ少々が実現可能です。


パセリはホームセンターで購入しようとすると、ハーブや花苗のコーナーではなく、野菜苗のコーナーに陳列してある事も多いので、気になる方は野菜苗のコーナーも覗いてみてください


次はつる植物なんですが、こちらも

何度も申し上げますが、

 

始まりはたった数百円のポット苗だったのです。


アイビー

 

ワイヤプランツ・ハツユキカズラ などのつる植物は

葉の色や形がかわいらしく、育ち安いので人気があります。

つる植物の厄介な点は、

横にも下にも上にも伸びて伸びて伸びまくる点です。

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四方八方に伸びまくった結果、気が付いた頃には、お客様自身で抜くに手に負えなくなるのです。

 

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つる植物を放置しておいて、気が付いたら家の壁につるが這っていたというお客様もいらっしゃいました。頑張って取ってみると、建物の外壁につる植物の跡がくっきりと残ってしまいとても残念な事に・・・

また、地面に伸ばしてしまったつるは着地した場所で根を張り、さらにパワーアップして広がり続けます。

人力の抜根除草では取り切れず、最後は除草剤を散布する事もあります。

防ぐ方法は、

  1. 地面に植えない
  2. 植えるけど念入りに様子を見てつるが広がらない様に頑張る(特に地面や壁に広がらない様に注意)


の2点

方法1を圧倒的におすすめいたしますが、

お庭や植物が好きで、いつもお庭に出てるから2の方法で大丈夫!

と思っておられる方もいらっしゃいます。

元気よく伸びて、美しい葉を披露してくれる植物を見ていると駆除するのを躊躇ししまう事もあります。特に植物がお好きであればその可能性もあるでしょう。

そういう私もハツユキカズラの処分を決意するのに、3年以上かかりました。


しかし、つる植物に情けは無用です。


つる庭屋敷になる前に速やかに、伸びたつるの整理をしてください。

最後もいいます。


最初は数百円のポット苗を地面に植えたばかりに、

業者に数万円の費用を払って取ってもらうという

事例が実際にありますので、ご自身のお庭に出る頻度や管理をする時間があるかどうか、などよくご検討の上、お庭の植物を楽しみましょう。


こちらにご紹介した植物はどれも本来は姿形や香りなど、すぐれた点がたくさんあります。しかし、植物は生き物なので放置すれば思いがけない成長を遂げるもの。

育て方に注意をしながら、植物の良さを味わって頂きたく思います。






気が付いたら困る事-木 大きくなりすぎ問題1

庭から撤去してほしいと過去にご依頼のあった植物(ガーデンアート調べ)

ゴールドクレスト
ユーカリ
ミモザ

モクビャッコウ
ラベンダー
ローズマリー
ミント
ワイヤプランツ
初雪カズラ
アイビー

これから、お庭に植物を植えようとなさってる方、

 

覚えておいてください。

 



地植えにすると

 ヤバい植物たちです↑

 

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植物に罪はないのですが、お庭の管理はキレイごとでは済みませんし

噂に聞いた話ではありません。


お客様ご自身でたった数百円、数千円で購入したはずが、植えて数年後、
〇万円以上の費用を頂いて、撤去を余儀なくされた植物達です。

実体験です。

中でもゴールドクレストは過去において最も撤去回数が多い樹木です

ゴールドクレスト - Google 検索


 買った頃は可憐であっても、
樹形を保ちながら剪定するのが難しい木なので、何もせず、ただ植えていたら巨大化し

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根が弱いので強風で倒れ、撤去依頼というパターンが多いです。

ゴールドクレストが流行したのが15年程前。
そこから、成長し、倒れ、撤去され、ゴールドクレストの呪いから日本のお庭も解放されてきた様に思います。

ただ、黄色味を帯びた葉色で、香りもよく、クリスマスのディスプレイになる木でもあります。お好きな方も多いと思いますので、

どうしても我が家に!という方は植木鉢で楽しまれる事を強くお勧め致します。


また、上記撤去リストを見るとある一定の傾向があります。

ミモザ

モクビャッコウ
ラベンダー
ローズマリー

などはシルバーリーフ系と呼ばれ、

 

シルバーリーフ - Google 検索

銀色がかった薄くて淡い葉色で、好まれる方がとても多いのです。


確かに、このシルバーリーフ系の植物が入ると、ナチュラル感、シャビーシック感、オシャレ感が増し、洗練された意識高い系の植栽群になります。

私も若いころは、シルバーリーフを必ず庭に入れていたのですが、数年前から

お客様からリクエストを頂く
寄せ植えで一時的に楽しむ

以外の用途では一切使わない事に決めました。


何故なら、


短期間で常軌を逸した大きさになるからです。

 

なのに、そんな木に限ってお庭に植えてみたいとのリクエストを多くいただきます。


そういえば、3月8日はイタリアではミモザの日と呼ばれ、男性が女性にミモザの花をプレゼントする日なのだそうですが・・・


名前といい、お花の姿といい、一気にオシャレ感が盛り上がるミモザは日本でも大人気ですが、このミモザなどは、常軌を逸した成長を遂げるシルバーリーフの代表格です。

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こんなにオシャレなのに・・・


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なれの果て・・・↑(推定6m以上)

 

こんな感じでインテリアに大活躍のユーカリ

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なれの果て・・・(推定4m以上)

木のサイズだけでなく、苗木の頃はあんなに丸くて小さかった葉っぱも巨大化しています。

どうしても楽しみたい方は、こちらも植木鉢で楽しむ事をおすすめします。


一方、高木にならない植物でも
紫色の花がかわいらしいラベンダーは

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大きくなると手に負えません(高さ推定1m以上、株の太さ不明)

横方向と樹姿が乱れるという点がネックです。


こちらも植木鉢で楽しむか、
花壇に植えて、大きくなってきたり、可憐さが失われてきたら一度抜いて、新しい苗木と植え替えるくらいの潔さが必要です。


さっきから、犯罪者の様に植物を紹介していますが、
いずれも魅力があり、人気がある植物です。


しかし、ひたすら意識高い系のお庭目指して、シルバーリーフなどを勢いで植えてしまうと、一般的な日本の敷地事情に合わない成長を遂げるという点において困るという事が実際に多く見受けられます。


しかも、大きくなりすぎた植物の撤去にはそれなりのお金がかかります。



  • これらの植物を植える時は、なるべく鉢植えで!
  • ちょっとでもアレ!?と思ったら自力でなんとかできる時に抜く覚悟で
  • 姿が乱れてきたら、一度抜いて新しいモノを買って植え直す

 


植物を健やかに大きく育てるのも庭を持つ醍醐味ですが、
植物の大きさを調整して美しくキープしり事もとても大切な事です。

気合と熱意と根性だけで庭を美しく保つのはたやすいことではありません。




つづく



ただひたすら困る事-雑草問題2

前回からの続きになります。

雑草 雑草と言い続けましたが、

雑草とは人間がその価値観で呼ぶ言い方であって、実はキレイな花が咲いたりする

 

野の花 なんです。
植物に罪はないのです。

 

と言う考え方や感じ方が一時期言われた事もあります。

主張にも一理ありますが、

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↑や

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↑を

どんな修行したら野の花と呼び愛でる事ができるのか・・・

そんな風流な心を持ち合わせてない私は、
容赦なく雑草をはびこらせない様にするか考えてみたいと思います。

世のインターネット上のサイトを探せば、雑草対策について記述がしてある記事はいくつもあります。

私も参考までにチラっと見ましたが、

対策1:抜く

とか書いてあって、

ハイ?

抜くのが面倒だからみんな困ってるのに、なんだその雑草対策「抜く」ってのは


クリックしてしまった自分を悔いる様な記事でしたが・・・

 



ということで、これから書くのは、それなりにお金もかかるけど、私たち造園業者にお願いして頂いて、お客様にご満足いただける効果があった方法です。

雑草対策には大まかに分けて2種類方法があります。

〇生えてからする対策
〇そもそも生えなくする対策

生えてからする対策としては除草剤はかなりの効果を得られます。

が、安全性に疑問をお持ちの方もいらっしゃいますし、枯れた草の処分等結構手間もかかります。気を付けなければ、枯らしたくない植物にかけてしまってることも・・・



そこで、そもそも生えなくする対策を練りたいと思います。


雑草が生えるのは土の上、つまり、土の部分を隠すのが良いのです。
土を隠せば隠すほど雑草は生えなくなります。

しかし、土間コンクリート?レンガ?石貼?そんな構造物で土を覆えばとんでもない施工費になる・・・



そこで、少しでも安く金額を抑えたい方にお勧めしている方法

防草シート+砂利の組み合わせです。

防草シートとは、すごく簡単に説明すると
少々の事では、破れない非常に丈夫な不織布の事だと思って下さい。
※ただし、水は地面に通しますので水が溜まって海になる事はありません


参照画像↓

防草シート - Google 検索



表面の土を取り

(草ボーボーになってしまってる場合は、一度除草剤を散布する事があります)
土の表面を鋤取り
防草シートをはり
砂利を敷いて

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完成

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※ちなみにビフォーはこんな状態でした

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この施工の良い点は、

  • 本当に草が生えてこない
  • 別の用途に使いたい時は砂利とシートを剥がせばOK
  • シートはカッターで容易に切れるので、切り取れば植栽もOK↓

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  • 施工期間が早い
  • 車が乗っても大丈夫
  • 比較的安価

 


評判がよくない点は

  • 砂利なので庭木の落ち葉の掃除がしにくい
  • 歩きにくい
  • 小さいお子様が砂利を拾って投げたりする事がある
  • 使用する砂利の種類によってはお庭がカッコよくみえない



ということで、草木を植えてなく、人もあまり通らず、人目につかない場所に施工するにはとても適した工法です。
また、剥がせばもとに戻るので、使用用途が決まってないスペースに一時的に草を生えさせなくする方法としてもお使いいただけます。



防草シート+砂利とのことだが、

  • 防草シートだけじゃダメなんか?
  • 砂利だけじゃダメなんか?


というご質問も頂くことがあります。
どちらか一方だけでも一定の効果は見受けられますが、
そうすると、その効果が長持ちしません。

以下、ヘタな絵で失礼します。

1:防草シートのみ施工の場合の困った事

困った事以前に、シートを敷いただけでは美観的にあまり綺麗ではありません

  • むき出しのシートの上は、風や歩く事などによってどんどん土が溜まり、その土からまた雑草が生えてきます。
  • シートはピンで留めて剥がれない様にしますが、雑草は刺したピンとシートの数ミリの隙間からまた生えてきます。

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防草シートを留めているピンは意外と強くありません。しばらくは頑丈に刺さっていますが、時間の経過と共に風に吹かれるうちにピンが外れて、シートがはがれてしまいます。

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2:砂利のみ施工時の困った事

砂利にはぎっしり敷いた様でも必ず小石と小石の間に隙間が存在します。
雑草はその隙間を縫っていとも簡単に地上部に顔をだします。
この時厄介なのは、防草シートと違って、地上部にはしっかり根を下して雑草が生えてきますので、抜くのも一苦労です。
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という風にどちらかにするとなんとも効果が中途半端です。

シートの上の土や風雨によるシートの飛散、また紫外線からシートを保護する役割も果たします。(持ちが全然違います)

 

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↑安価で持ちがよいのは、上記施工例にもあった様にこういうタイプの砕石です。

もう少し見た目重視の方法はありませんか?とのご意見もありますが、

見た目を重視すると、

  • 金額が高い工法
  1. 固まる真砂土風の仕上げ
  2. 人工芝
  • 効果が防草シート+砂利より弱い工法
  1. 木製チップ敷


などを採用する事が多いのですが、

またいずれご紹介する機会があればと思っております。



雑草でお困りのお客様は、特に広大の敷地の方が多く、今回はコストパフォーマンスの高い方法をご案内いたしました。


 

 

ただひたすら困る事-雑草問題1

お蔭様で、わが社も設立後十数年経過しました。

ということで、設立当初からのお客様方はお庭を見直す時期に来ておられます。

というのも、年齢や家族構成の変化と共にお庭も使い方が変わってくるからです。


1:まず最初は新築時期

 

  • 建物も新しく、お庭も建物に合うものを選び、使い勝手もありますが、多くの方は見た目重視でお庭をデザインされます。地方都市ですと車は3台以上置ける事が必須になってきます


2:お子様が自転車通学を始められる時期

  • お子様が中学に進学されると、生活様式や庭の使い方がガラリと変わります。
  • 自転車をどこに置くべきかで、皆さま頭を悩ませる事が多いです。


3:お子様が進学、就職で家を出られる時期

 

  • 自転車だ、グッズだとモノが多かったお庭ですが、荷物が少し少なくなってきます。
  • この時期に、建物やお庭の大規模リフォームをなさる方が多く見受けられます。
  • 新築時には小さかった樹木も大きくなったり、形が変わったり、植木の量を減らして、お子様方が車の免許を取った時の駐車スペースの拡張したり、
  • 老朽化した門塀や玄関周りのリフォーム、カーポートのやり替え、スロープ設置などがメインとなってきます。
  • デザインも大切ですが、実用性重視の生活しやすいお庭へと変化します。



と、家と庭の使い方が変わってくる中、
1~3のどの段階でも、頭を悩ませる共通の悩みゴト


雑草問題です

特に、上記「3:お子様が進学、就職で家を出られる時期」に庭のリフォームをされたお客様は、十数年経つと、今度は年齢的に雑草の管理がとても辛くなってきます。
ですので、ちょうどその当時に 3のリフォームをされた方の、雑草問題の対策のご依頼が目立って増えてきました



近年は、家族全員働かれているご家庭も多く、家のメンテナンスに多くの時間が割けません。なのに容赦なく生えて生えて生えまくる雑草。



ただ、例外として、

 

雑草?

 



ウチにはそんなモン生えませんよ?

 


とおっしゃる方が・・・

 


新築1年目のお客様です。


草も小さいものしか生えなかったし、

ウチは神様に気に入られた土地なんで全然草が生えない~~~~~~~~~♪

とさえ錯覚することも。

が、しかし、
新築1年目

 

草がほとんど生えない、更地ではありますが・・・・
気が付かないだけで、


残念ながら、お客様。

 

お引渡し終了後から

既にお庭は雑草の呪いにかかっております。

 


雑草に神もホトケもありません。

新築後すぐに引き渡しを終えた敷地は、とりたてホヤホヤの真砂土が敷いてあるので、まだ雑草の種が落ちてないのです。

二年目以降からは、落ちた雑草の種が根を張り、本性を現し始めます。
最初は小さな根の浅い雑草なのですが、だんだん厄介な種類が頭角を現し始めます。


ここで、女王的

 

 

庭の草むしりの時、ムカつく雑草BEST3

 

を発表してみたいと思います。



第3位

ススキ

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新築後すぐに生えてきませんが、空き地の雑草軍団のボス的存在です。
こうしてみるとキレイなんですけどね。

ご存じの様に、大きくなったらどうしようもありません。

何年か前、ススキを庭に敢えて植えるというのが流行りまして。

うっかり会社に植えたら、大変な事になり、

とうとう社長に、チェーンソーで地上部を倒してもらい、

その後、ショベルカーで根を掘り、撤去してもらうという
大変大掛かりな草むしりとなってしまいました・・・


第2位

タンポポ

 

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特にこういう生え方をしてるの・・
根はすごく張るのに、茎がとても柔らかく、抜こうとしてもポキ・・ポキ・・・と途中で折れる。10回のウチ7回程度は根っこまで抜けません。

根っこが地上部の3倍くらいあって、

うまい具合に、引っこ抜けそうな時もありまして、

引っ張ってるウチに根っこの感覚を捉え、

もう少し・・・もう少しで抜ける・・・ガンバレ・・ガンバレ・・・

少し、土から抜けそうな手の感触・・・

ヨッシャ!!

抜ける!!

 

 

もらったぁぁあ~~~!!


 

 

 

 

 

 

 

 

ボキッ!!(←根っこが途中で折れる音)

と、抜根除草に失敗するという

ことも多々あり、非常にストレスフルな雑草です



第1位

カタバミ

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ちょっとだけクローバーっぽいのですが、似て非なるもの

黄色い花を咲かせたりして、愛想をしてる様ですけど・・・

お盆前後の夏真っ盛りの頃はこのカタバミが固い地面を這って大繁殖をします。
とりあえず、99%は根っこまで取れた試しはありません。
※昔、全然取れないので、掘り返したら、地中深くに球根がありました。
そりゃとれないですね。

タンポポは茎がポキっと折れてましたが、このカタバミに至っては、茎どころか、
葉っぱを持っただけでプチンととれてしまう。

捉えどころのない雑草。

しかも、日陰ひとつない炎天下の下に多く生息し、
草とってる間は熱中症ととなり合わせ。

で、ほぼ100%抜けない雑草、カタバミ


本当にムカつく雑草たちですが、お庭内で防ぐ方法がいくつかあります。




つづく



庭はどうやってできるのかCase2-1

 

皆さまこんにちは。

大変な寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

お庭がどうやってできるかシリーズですが、
昨秋の施工例をご紹介いたします。

建物のお引渡し前からお庭のご相談を頂いていたのですが、
結局、ご入居頂いてお車の入れ方、窓からの目線などをご確認頂き、その上でのお庭づくりとなりました。

私共はかねてより、条件が許す場合はご入居後のお庭・外構工事をおすすめしております。どんなにプロの業者の助言をきいても、どんなに思いを巡らせても、
建物で寝起きし、窓の外を眺め、夜電気をつけて、車を駐車し、出勤・家事、をこなして見えてくる事以上のアドバイスを差し上げる事はできません。

そして、入居前では思いもかけなかった事も発生します。

百聞は一見にしかず

建物があれば、お庭は逃げません。

心配要りません。ちょっと不便ですが、庭は無くても暮らせます。

無くても暮らせる空間を、より便利に、より楽しくお使いいただく為に、
引っ越して、ひと段落ついて、お庭を見つめてみるのもお庭づくりの一環かと思います。

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まずは、建築中に敷地を拝見させていただきました。
この玄関周りは、既に建築中からお客様の念頭にあった箇所です。
このポーチをどう使うか、道路と敷地の高低差をどう利用するかを思案なさっておられました。

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 結局ポーチの道路からの高低差は自然石の平板の階段で解消しました。
ポーチがタイル仕上げの場合は、通常、同じタイルで階段を作成しますが、
お客さまが、お庭に暖かさや柔らかさを求めておられたので、
敢えて、タイルとは全然違う素材でタイル続きの階段をデザインしました。

ご提案パースが

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このように仕上がりました。

完成が秋だった為、植栽ボリュームがイメージスケッチとは異なっていますが、
(細かい事は現場にて変更する事はあるのですが)ほぼイメージ通りに仕上がります。

私共が打ち合わせ時にみて頂くイメージスケッチは、細かい変更点はあったとしてもほぼその通りに仕上がります。

しかし、自然石や植栽など、形の決まっていない材料については、施工責任者の昌三園社長におまかせしますと ありがたくおっしゃって下さるお客様もおられるので、社長アレンジとなる場合もあります

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こちらは、駐車場なのですが、車がとまる箇所は土間コンクリートで、よく見える道路側は自然石平板や洗い出し仕上げとしています。

自然石は、土間コンクリートと比べると少し施工金額が高いのですが、味わいのある経年変化を遂げるので、よく目立つ場所に使う事が多いです。


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実は、こちらのお庭はもう1方のサブ駐車場からの出入りも可能です。

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 お庭の完成が秋だったので緑あふれるお庭は春までお預けとなりますが、
秋冬完成のお庭は、実はお客様にとっても管理がとても楽なのです。

春、夏に完成したお庭ですと、緑が豊かである一方、お庭の完成と同時に植物の水やりに取り掛からねばならず、また、暑さで植えたばかりの植物が枯れる心配があります。

また、春の芽吹きの頃におじゃまして様子を拝見させていただきたいと思っております。

お客様、お庭の工事の際は色々とお世話になりました。
引き続き宜しくお願い致します!